S-1と424B4の見方

S-1と424B4とは?

Form S-1とはアメリカでIPOを行うために、米証券取引委員会に提出する登録届出書のことです。日本でいうところの、目論見書や有価証券届出書にあたる書類。

S-1にはレッドへリング(Red herring)と呼ばれるものがあり、このS-1(目論見書)があくまでも暫定的な仮目論見書にすぎないこと断っている「赤い但し書き」があり、そこからRedsと呼ばれる。

424B4とは発行目論見書(Prospectus)の追加情報を報告する様式のことで、S-1の正式版という立ち位置という理解でいいかと思います。

S-1と424B4はどこで手に入れられるか?

以下の手順を踏めばS-1や424B4、その他書類を入手することができます。

STEP.1
証券取引委員会のサイトにアクセス
以下のリンクからUS Securities And Exchage Commisionのサイトに飛ぶ
参考 証券取引委員会US Securities And Exchage Commision
STEP.2
Company Filing Searchをクリック
下の画像の赤い丸をつけてあるFilingsにマウスを合わせ、Company Filing Searchをクリック Filling tab
STEP.3
検索
下の画像の入力欄にTickerを入力して、検索候補に表示れる企業を選択し、SEARCHをクリックSearch
STEP.4
閲覧したい書類を選択
書類のリストが表示されるので閲覧したい書類を選択。ここでは424B4かS-1/AのDocumentsをクリック
書類一覧
STEP.5
書類のリンクをクリック
一番上の424B4の行のDocument列のリンクをクリック書類のリンク
Goal
書類を閲覧
これで書類の閲覧が可能になります。

S-1と424B4を斜め読みする

英語の翻訳が簡単にできる
英語が苦手に方は是非試してみてください。Google Chromeというブラウザで英語のページを開いて、画面を右クリック。クリック後に出てきたメニューで日本語に翻訳を選択するとサイト上のテキストデータを日本語に変換することができます。

424B4等の書類をすべて読み、それを頭に入れておくのがベストですが、なかなか時間の確保が難しい場合があります。その場合はさっと以下の部分を確認します。

幹事情報を見る

424B4の1ページ目の最下部あたりにIPOの幹事情報があります。IPOの幹事情報は大事な情報でMorgan Stanley, Goldman Sachs, J.P Morganがリード・マネージャーである場合はその銘柄は分析の価値があると私は判断しています。幹事情報の順番には意味があり、序列順に並んでいます。上の図でいうとMorgan Stanleyが序列1位となります。

Table Contentsから飛ばし読みをする

424B4の左端のTable of Contentsをクリックすると上の写真の部分に飛ぶことができます。このTable of Contentsの以下の部分を確認するのが良いです。

  1. Business
  2. Industry Background
  3. Management
  4. Principal and selling shareholders
  5. Risk Factors
  6. Selected Consolidated Financial Data
  7. Management’s Discussion Analysis

BusinessではIPO企業の業務内容を知ることができます。

Industry Backgroundでは、その企業の属する業界の動向を知ることができます。

Managementでは、経営者の来歴を見ることができます。CEO、チェアマン、COO、CFOの経歴は調べておくべきです。特にCFOは他の公開企業でCFOを務めたことがあるかは見ておくべきです。未経験の場合はリスキーです。

Principal and selling shareholdersでは、株主を調べることができます。創業者がどのくらい株式を保有していて、今回の売り出しで株を売るのか?株は売らないほうがよいのでそれを確認します。また、VCが噛んでいた場合は著名なVCが噛んでいるかどうかを見ます。

Risk Factorsでは、企業固有のリスクを見ることができます。これは全部読むのが望ましいです。

Selected Consolidated Financial DataとManagement’s Discussion Analysisは合わせて読みます。ここでは直近の会計年度の業績の詳細についてどういう事情で業績が良かった、あるいは悪かったということを経営陣が説明している部分になります。

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